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『対決-巨匠たちの日本美術』展 [ART]

@東京国立博物館

巨匠.jpg

午前中は混むので午後から行ったんですが、予想以上に空いていてゆっくり観られました。
展示は「作家同士の関係性に着目し、中世から近代までの巨匠たちを二人ずつ組み合わせ「対決」させる形で紹介」(国立博物館HPより抜粋)するという内容。
例えば、喜多川歌麿vs東洲斎写楽みたいに。
最近の東博の特別展は、展示作品の良さに頼るばかりで作品を「見せる」工夫がされてないと感じることが多かったんですよね。
でも、今回はまず企画が良いし、解説のパネルもわかりやすくて非常に楽しめました。
「対決」させているのは、必ずしも同時代に活動していたり実際に関わりのあった人物同士でばかりではないのですが、対比することによって作品世界をより深く知ることができた気がします。

一番のお目当ては、長沢芦雪の『虎図襖』。
作品も素晴らしく良かったんですが、対決相手が師匠の円山応挙だったので、とても楽しく対比して観ることができました。
応挙の作品は写実的で繊細さや緻密さがあるんですが、芦雪は全く逆。
どこか漫画ちっくだし、どの作品もはみ出しそうなくらいダイナミックに描かれています。
師弟対決といえば、俵屋宗達vs尾形光琳は王道な感じですね。
展示期間の最後(8月11日~17日)には『風神雷神図屏風』が展示されるそうですよ(^ω^)
以前に出光美術館で、宗達、光琳に酒井抱一も加えた、風神雷神図の展示を観たんですが、並べて観ると本当に違いがものすごくよくわかって面白いです!
あと、狩野永徳vs長谷川等伯は、本人達もライバルとして認識していたので見ごたえがありました。
「動」の永徳に対して等伯は「静」の印象なので、その対比も非常に面白かったです。
最近になって見つかり今回が初めての展示という、永徳の『松に叭叭鳥・柳に白鷺図屏風』がすごく良かったです。
6曲1双の屏風で1枚には松・荒波・叭叭鳥(黒い鳥)、もう1枚には柳・清流・白鷺(白い鳥)が描かれているんですが、その対照が素晴らしく美しくて。
永徳は環境にも恵まれていたけれど、ずば抜けた才能とセンスの持ち主だったんですね(^ω^)
一番人気の対決は、やっぱり歌麿と写楽。
でも、この二人はライバルって感じがしないんですが。
歌麿は美人画、写楽は歌舞伎の役者画と、扱ってるテーマが違うからね。
歌麿の描く女性の色っぽさも、写楽のどこかトボケテ人を喰ってる感じの画も、どちらも好きです!
そして、蔦屋重三郎の敏腕プロデューサーぶりに改めて感心してみたりw
ポスターに作品が使用されている、伊藤若冲vs曽我蕭白も良かったです。
蕭白は名前ぐらいしか知らなくて、作品を観るのは実は今回が初めて。
色使いや描かれている人物の表情、構図の大胆さに驚かされました。
18世紀の人なのに、あの色使いはスゴイ!
モダンな印象を受けましたね。

全ての作品をじっくりゆっくり、2時間かけて観ました。
すっごく満足!
でも、もう一回観に行きたいなー。
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